せいぶれいえんコラム

2025/03/05
第126回「春のお彼岸」

 

 

こんにちは、西部霊苑です。お墓参りや季節のことなど、何かのお役にたてる情報を発信していければと思います。
今回は「春のお彼岸」についてお話しします。

 

【お彼岸とは】

お彼岸は3月の春分の日を中日とした前後3日間、計7日間と9月の秋分の日を中日とした前後3日間、計7日間のことで、それぞれを春のお彼岸、秋のお彼岸と言います。
春分の日、秋分の日は太陽が真東から昇り真西に沈む日であり、この日は昼と夜の時間がほぼ同じになります。
この昼と夜の時間がほぼ同じになる日は4年に1度のうるう年で調整されることからもわかるように、地球が太陽のまわりを周る時間が365日より少しずれがあるため春分の日、秋分の日は日付が固定されておらず、国立天文台による暦象年表を基に毎年2月に閣議で翌年の春分の日、秋分の日は日付が祝日として決定されます。
今年の春分の日は3月20日(木)、秋分の日は9月23日(火)で、春のお彼岸は3月17日(月)から3月23日(日)、秋のお彼岸は9月20日(土)から9月26日(金)となります。

 

【お彼岸の起源・考え方】

この昼と夜の時間がほぼ同じになる日は仏教で中道を尊ぶ考え方と重ねて大切にされています。
この中道の日には仏教の修行の基本である六項目(六波羅蜜)を行い、迷いや煩悩の此岸から悟りの世界である彼岸へ至ることが出来るようにとされ、この彼岸という言葉からお彼岸という呼び方がきているようです。
またお彼岸には昼と夜の時間がほぼ同じになることから彼岸と此岸がもっとも近づき通じやすくなると考えられており、一般的にはご先祖様を尊い、お墓参りや仏壇にお供えをします。
お彼岸の起源は諸説ありますが、平安時代に桓武天皇の弟である早良親王を悼んだことからとされていることもお彼岸にお墓参りということにつながっているのかもしれません。

 

【お供え】

お彼岸と言えば春の「ぼたもち」、秋の「おはぎ」がよく知られています。
これはどちらも小豆が使われています。小豆は中国から赤い色に魔除け、邪気を祓う力があるものとして伝わってきたもので、小豆が収穫され新鮮な秋には粒の形を残した粒あんとして使われ、春には保存用に加工されたこしあんで作られます。
それぞれぼたもちは春のお花である牡丹から、おはぎは秋のお花である萩からその名前がとられています。

これ以外にもお墓参りや仏壇には季節のお花がお供えされます。また精進料理や地方ごとに特色あるお供えがされることもあります。
精進料理は仏教の殺生を戒める教え基づき、肉や魚介類を使用せず昆布や野菜、豆などを使い調理されます。

お彼岸にはお団子がお供えされることもあります。これはお彼岸団子やツマミダンゴ、彼岸餅など地域によってさまざまな呼ばれ方がされています。邪気払いの力がある小豆をつかわないお彼岸のお団子は、ご先祖さまや故人とともにこの世の食べ物を食べるためとされ、「お彼岸の期間の入り、または明けの日」「入りと明けの日」などこちらも地域ごとに違いがあるようです。

 

そろそろ今年の春分の日がやってきます。
当日はお花だけでなくぼたもちやお団子も用意してみてはいかがでしょうか。
それでは次回コラムもよろしくお願いします。

 

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