せいぶれいえんコラム

2018/09/14
第7回「無縁仏の話」

せいぶれいえんコラム 第7回「無縁仏の話」

 
こんにちは、西部霊苑です。
お墓参りや季節のことなど、何かのお役にたてる情報を発信していければと思います。

さて、第七回となる今回は、「無縁仏」についてのお話をさせていただこうかと思います。
 

無縁仏について

 
無縁仏とは、供養されないため、常に空腹で安らかな死が迎えられず、怨念を持って迷っているため、たたりを起こすなども考えられ、仏との因縁を結んだ事がない霊と言われています。
そうした仏教の考え方から転じて、供養する親族、縁者のいなくなった仏像、石仏などの事も表します。また、引き取り手のない死者やその魂のことを指す言葉でもあり、無縁仏には色んな意味を持ってます。
子供がいない、子供がいても女の子ばかり、男の子がいるが遠くに住んでいる、子供がお墓の価値に理解がない、家族の宗教観が違う、子供の方が先に亡くなってしまった、跡継ぎがいるが結婚する気がないなど、これらに当てはまる人は無縁仏になってしまう事を真剣に考えなければいけません。
無縁仏となってしまうと、自分の親族を含めて墓守をしてくれる人が一人もいなく、お墓の管理費などが払われない為、寺院側で檀家と相談しお墓の撤去や管理を続けるかどうかなどを決めていきます。
その際にかかる費用は本来そのお墓の墓守から支払われるべきですが、無縁仏の場合、その費用を支払う方がいないため寺院や檀家の方々が負担する形になります。
日本では死者に対して礼儀を重んじる風習がある事から、誰から見ても仕方ない状況以外では出来る限り子孫である自分たちで、代々守られて来たお墓を最後まで供養して行けるのが理想的と言えるでしょう。
 

無縁墓の現状

 
お墓の継承者や縁故者がいなくなった際、墓地の管理者は、基本的には毎年、墓地の管理費を集めますが、縁故者がいなくなった場合などは回収ができないため、官報に記載したり、墓所に立て札を立てるなどして、縁故者の申し出を待ちます。
申し出がない場合は無縁とみなされ、管理者側で、墓地を処分しても構わないことになっています。無縁墓と認定された場合、遺骨は取り出され、無縁供養塔に納められ、他の無縁仏と一緒に供養されることになります。
核家族化や少子化が進む現代の日本では、お墓を受け継ぐ者がおらず、無縁墓は年々増加傾向にあります。特に大都市ほどその傾向が顕著で、今後もさらに増えていくと予想されています。そんな中で注目を浴びているのが、樹木葬や散骨などお墓にこだわらない供養の方法で、今後の供養としてひとつの選択肢となる可能性もあります。
 

桜

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