せいぶれいえんコラム

2018/09/27
第49回「お墓に入れる文字について」


 
こんにちは、西部霊苑です。
お墓参りや季節のことなど、何かのお役にたてる情報を発信していければと思います。
今回はお墓に入れる文字についてお話します。
 
 

【棹石(さおいし)に刻む文字】

 
お墓の上段に構える縦長の形をしている石を棹石といいます。
かつては棹石の正面には戒名が刻まれていたようですが、現在は一般的に「○○家之墓」や「○○家先祖代々」といった家名や「南無阿弥陀仏」などのお題目が刻まれています。
最近ではこういった文字以外の故人やお墓の建立者の好きな言葉などを入れることも増えてきているようです。
正面以外については右面に戒名や没年月日、左面にはお墓の建立年月日、背面には建立者名を入れることがあります。
お墓によっては隣に法名塔を設け、戒名など側面部に入れる文字をこちらに入れることもあります。
 
 

【よく使われるお題目】

 
棹石正面にいれる文字として、これまでよく見かけられた一般的な文字としては「南無阿弥陀佛」や「倶会一処」などあります。
それぞれについて簡単に説明します。
 
・南無阿弥陀佛
阿弥陀仏への帰依(すぐれたものを頼みとして、その力にすがること)なにもかもお任せしますという意味のブッダの説かれたお経の定型句です。
浄土宗・浄土真宗・天台宗のお墓で見られます。

・倶会一処
くえいっしょと読み、浄土真宗のお墓にみられます。
仏説阿弥陀経の一節で、阿弥陀さまと倶(とも)にお浄土という一つの同じところで会わせていただくといった意味があります。


・梵字(ぼんじ)

梵字と家名を入れるものは天台宗のお墓でみられます。
よく使われる梵字としては梵字の基本であり全ての宇宙の象徴とされている「ア」や、慈悲で悩みを救い全ての望みをかなえる千手観音や、極楽浄土への導きをされる阿弥陀如来を表す「キリーク」といったものがあります。


・南無妙法蓮華経

日蓮宗のお墓に見られ、法華経(妙法蓮華経)に帰依するといった意味の言葉です。


・妙法

妙法と合わせて家名を入れる形で使われ、日蓮宗のお墓で見られます。
法華経において不可思議なる法といった意味や、言い表しがたい味わいや美しさなどの意味があります。


・南無釈迦牟尼佛

釈迦牟尼佛=仏様の教えに帰依しますといった意味があります。
曹洞宗や臨済宗のお墓でみられます。


・○(円相)沿層

円相(えんそう)は禅や書画にみられる丸を描いたもので、悟りや宇宙全体の真理を表した形で、見る人によって受け取り方が変わる文字といった意味があります。
お墓のお題目では円相と家名といった形で使われ曹洞宗や臨済宗のお墓でみられます。

 

【いろいろなお題目】

 

上のような仏教の教えからくる文字以外にも、最近かなり多くの種類を見かけるようになりました。
棹石の形も縦に長い長方形だけではなく、形もさまざまなものが使われています。
横に広い洋風なものには1字、または2字など文字数が少ない単語を入れる場合もあります。


1字の場合
…絆、偲(しのぶ)、和、無、慈、想、悠(ゆう)、心、空、風、眠 などがみられます。


2字の場合
…飛翔、感謝(かんしゃ)、喜悦、光舞、旅路、永眠、平安、永眠、悠久、笑顔
などがあります。

4字では、安楽浄土、一期一会、諸法無我、風定花猶、花鳥風月、安穏無事、一路平安、一心一徳 などが刻まれます。

 
いかがでしたか?お墓に入れる文字は実は非常に自由に選ぶことが出来ます。
故人を偲ぶ時、その思い出に浸れる言葉があれば自由に選ぶことが出来るということを知っておくといいかもしれません。
 

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