せいぶれいえんコラム

2024/12/26
第124回「冬の時期のお花選び」

 

 

こんにちは、西部霊苑です。お墓参りや季節のことなど、何かのお役にたてる情報を発信していければと思います。
さて年末も近づき冬の寒さもしっかりとしたものになってきました。 今回は「冬の時期のお花選び」についてお話しします。

 

【仏花と墓花】

仏花とは、お仏壇や仏像、位牌などに供える花で、故人やご先祖様への哀悼の意を表すものです。
仏教の教えに基づいて供えられ、香や灯明とともに「仏の三大供養」のひとつとされています。
お墓に添えるお花は同じく故人やご先祖様にお供えするものですが区別し墓花と呼ばれます。
こうした区別をあまり意識せず、どちらも総称し仏花と呼ばれることもあります。

 

【仏花選び】

仏花としてよく目にする代表的なものとしては黄色や白色の菊があります。菊は日本の国花でもあり、高貴、高潔なイメージを持たれています。白い色の菊には冥福を願う花言葉があるようで、そのほかにも邪気を払う、長寿を願うといった意味があるようです。また菊は日持ちもよく強いことからも、仏花として好まれています。
このように仏花として好まれる理由も多いため通年を通して手にすることが出来るようになっています。
菊と同じくスターチスも淡く優しい紫や黄色の色の花があり、通年を通して仏花として手にすることが出来ます。
仏花の色味としては特に決まりはありませんが、基本としては白、黄、紫、ピンク、赤の5色で選ばれます。
強い色味のものでまとめられることは少なく、菊で見られる白や黄色、高貴なイメージのある紫、ピンク色から赤のお花といった、見る人の心も穏やかになるような落ち着きのある色で無難にまとめられることが多いようです。

またバラのような棘のあるお花や香りが強すぎるお花、彼岸花や紫陽花、鈴蘭、水仙、チューリップなど毒があるもの、手がかぶれてしまうような性質のあるお花も仏花としては避けられます。
そのほかにも仏花選びの基準として季節のお花や故人の好きだったお花といったことを中心にしてバランスよくまとめられることもあります。

 

【冬の時期のお花】

冬は時期的に手に入るお花の種類もそれほど多くはないため選べる種類も限られてきます。
冬菊や冬牡丹、シクラメン、百合やジニア(百日草)、カーネーションなどがこの時期手に入りやすいお花になっています。

またお正月には華やかなお花が選ばれることもあります。椿や梅などはちょうどこの時期に手に入れることが出来ますので、お正月の雰囲気をつくるために選ぶものよいでしょう。
椿は傷んでくると花が少しずつ落ちていくのではなく、花全体が落ちるため縁起がいいものではないという印象を持たれていることも一説ではありますが、むしろ椿は古くから高貴な花として縁起がよいお花として扱われています。
もちろんどちらも気の持ちようではありますので、お供えされるケースによって判断すればよいかと思います。

 

墓花としてはやはり近年お花を長い間お供えしていると傷んでくることから、衛生上生花は当日持ち帰るか禁止とされている所も多くあります。冬の時期は日差しや温度も高くなくお花も傷みにくいため、当日持ち帰るのにも生花を選びやすい季節ではあります。
勿論造花が失礼というわけではありません。上のような理由からも近年はお墓には造花が選ばれることが多くなり、これに抵抗感がある風潮もほとんどなくなってきて利用しやすくなってきているのではと思います。
だからこそ逆に故人の命日やお盆、お正月など特別な日には気持ちを込めて生花をお供えしてみることもよいかもしれません。 それでは次回コラムもよろしくお願いします。

 

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