せいぶれいえんコラム

2019/02/22
第54回「お墓の彫刻の色」」

こんにちは、西部霊苑です。
お墓参りや季節のことなど、何かのお役にたてる情報を発信していければと思います。
今回はお墓に掘られている文字などの彫刻の色についてお話します。

 

 

【棹石に掘られている文字】

 

お墓の一番上に置かれている長方形の棹石(さおいし)は、正面に家名や南無阿弥陀仏などお題目の
文字が掘られています。
棹石の正面のお題目についてはコラムの第49回「お墓に入れる文字」でもお話させていただいております。
合わせてお読みいただければと思います。

右側面にはお墓に収められているご先祖様の戒名などが掘られます。
お墓に墓誌(板状の石や金属のもの)がある場合、お墓に収められている方の改名はそちらに刻まれます。

棹石の背面、もしくは一段下の上台(じょうだい)の左側面に、お墓を建立した日付と建てた方の名前が掘られています。
「建之」とはこんし、けんし、けんのうとよみます。

 

 

【赤い色を付けられた名前】

 

お墓に掘られた名前のうち建立した方の名前は赤色を入れられます。赤色は存命であることを示す意味があります。
建立した方の名前が俗名の場合、その方が亡くなった後も色は赤のままにしておきます。
生前に戒名を授かっていて、建立した方の名前として戒名で掘られている場合、亡くなった後は赤の色を
抜くようにします。

 

 

【地域による色の違い】

 

お墓の文字に入れられる文字は地域によって異なる場合もあります。
九州では金色が使われているところをよく見かけます。また山梨や長野といった地域では銀色が入れられます。

 

 

【家紋などの彫刻の色】

 

棹石の手前にある花立や水鉢に家紋などの彫刻がある場合、そうしたものにも色を入れていることも
多いかと思います。
お題目に金色、その他に白、黒味の色と分けることがあります。また、全体を同じ色にする場合もみられます。
自然な感じを好む場合、色入れをされないこともあります。
一般的にお墓に入れる文字の色は「五色」とされ、「白または銀」「黒または紫」「赤」「青または緑」
「黄または金」となっているようです。
関東のほうでは黒色が用いられることが多く、関西では白色、九州では金色が好まれるようです。

建立した日付と名前については建立した方の名前だけでなく、日付もすべて赤色を入れている場合もあります。

 

こうした部分の文字だけに限らず、お墓の作法、様式は様々でどれが正しいというものはありません。
ご先祖様を大切にする気持ちを第一にお墓を大切にしていただければと思います。

 

 

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